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Little Tern Research Centerとは  

 当センターはコアジサシという種を保全することを目的としています。そのために、日本だけでなく、世界各地におけるコアジサシの情報を収集し管理するほか、コアジサシに関する調査・研究を行い、コアジサシの繁殖地、中継地、越冬地、渡りルート、グローバルな地域個体群間の関わりなどを解明し、保全活動に役立てていきます。

なぜコアジサシを保護していくのか

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 カモメと同じ、チドリ目カモメ科に属する鳥で、全長28cm、ヒヨドリ大の鳥です。ツバメやスズメであれば、名前を言えばだれもが姿を思い浮かべることができると思いますが、コアジサシと聞くと首をかしげる人も多いかもしれません。しかし、コアジサシは私たちにとって身近な鳥です。

 私たちがいる日本は島国で、山地から流れ出る豊富な河川とその水が行きつく海は、日本を代表する景観であり、主要な自然環境です。そしてこれらを取り巻く水辺の生態系は、農耕、漁業など、これまで私たちの生活を支えてきました。そこに私たちと一緒に生活してきたのが、このコアジサシなのです。

 渡り鳥であるコアジサシは、子育てのために日本に渡ってきます。コロニーと呼ばれる集団繁殖地を作って子育てするため、暑い夏、河川や海辺を飛び交うたくさんの白い姿、そして「キリッ、キリッ」という鳴き声は、夏の風物詩と言ってもいいでしょう。そしてコアジサシが子育てするには、繁殖する環境や休息する場所だけでなく、餌となる魚も豊富にいなくてはなりません。水の中から陸地まで、すべてにおいて健全な状態が保たれていないと子育てできない、水辺環境の指標となる種です。

 毎年見られていた地域からコアジサシがいなくなるとすれば、それは環境に異変が起こっている何かのサインかもしれません。そして、その姿を実際に見ることができなくなってしまうかもしれないのです。

コアジサシが置かれている現状 ~水辺環境のバロメーター~

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 コアジサシが子育てする場所は、もともとは河川の中洲や河原、海岸の砂浜にある、草地化していない環境だったと考えられますが、そのような河川や海岸の繁殖環境は、河川上流部におけるダム建設によって悪影響を受けています。砂利の供給量が減少して中洲が低くなり、海岸が狭くなることで、増水や高波の被害に遭いやすい環境になっているのです。また、増水による被害という点とは矛盾して聞こえるかもしれませんが、ダムの建設によって洪水が起こりにくくなったことで、河原や中洲が草地化するなど、コアジサシにとっての繁殖適地が少なくなっているという問題もあります。今では埋立地などでも子育てしていますが、十分な代替地にはなっていません。

 さらに、子育てに必要な魚にも変化が見られます。水の中は目に見えない部分で把握しにくいのですが、子育ての時期、餌となる小魚が、繁殖できる環境の近くで減少傾向にあるのではないかとも言われています。これは温暖化も少なからず影響しているでしょう。それなら魚が豊富にいる場所に行けばいいではないかと思う人もいるかもしれませんが、日本の中で繁殖できる環境と子育てできる餌量とが揃っている場所が減少しているのです。

 これらの問題に加えて、人工的な環境である埋め立て地などは、人が利用するために作られた一時的な環境であり、何年も続けて利用はできません。また、自然の繁殖環境も、釣りやレジャー、犬の散歩などによって、繁殖が脅かされています。このような状況が進むと、コアジサシは次世代に十分な子孫を残すことができず、ある時突然、急激に個体数が減少するかもしれません。目に見えるほど減少してしまっては、保全は難しくなります。手遅れにならないためにも、今からコアジサシを保護していくことはとても重要なのです。

コアジサシを保護していくために

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 コアジサシは世界に広く分布しており、日本だけでなく、多くの地域で絶滅の危機に瀕しています。日本鳥類保護連盟では、これまで環境省によるコアジサシの全国調査や、情報交換のためのネットワークの構築、保護指針案の作成に携わってきました。これらのノウハウを活かし、水辺環境のバロメーターであるコアジサシを保護していくための活動に、グローバルな視点で取り組んでいます。

コアジサシの渡りを調べる   

国際協力事業   

リトアニア国際協力事業報告

国際鳥類学会議での発表

日本鳥学会2017年度大会

2014年リトアニア国際協力事業報告
2015年リトアニア国際協力事業報告  

2016年リトアニア国際協力事業報告 

2019年リトアニア国際協力事業報告 

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