フィリピンでの活動のご報告2018

活動の目的

平成30年7月24日から31日まで、経団連自然保護基金からの助成を受けて、フィリピン共和国での活動に参画してきました。この活動は渡りをする猛禽類を保全することを目的としています。日本とフィリピン共和国など、多国間を移動する猛禽類を保全していくため、これまで連盟では、双眼鏡の寄付や渡りに関する調査で協力してきましたが、今回は森林再生に参画します。この森林再生は、アカハラダカのような自然林で採餌してエネルギー補給をする種のために餌場を創出しようという取り組みですが、同じ渡りをするサシバや、在来種であるフィリピンワシのような希少種にとっても、生息のために必要な環境の確保という点で保全につながる取り組みです。

今回森林再生を行った場所はガバナー・ゲネローソのチバンバンとサランガニのタルタク山の2ヵ所です。どちらも、本活動のこれまでの調査で、相当数のアカハラダカが渡りルートとして利用していることが確認されています。そのルート上のエリアで、餌資源を育むための森林を再生する取り組みです。

今回訪れた場所の位置

双眼鏡の寄付

7月25日、私たちはガバナー・ゲネローソに向かう途中、MatiにあるDavao Oriental State College of Science and Technologyに向かいました。ここでは多くの学生が猛禽類の渡りについて調査を手伝ってくれており、これまでも双眼鏡の寄付を行ってきましたが、そこに新たに中古双眼鏡と、昨年度作成したリーフレットをお届けしました。学長さんに出迎えていただき、リーフレットと中古双眼鏡を無事お渡しすることができました。
今回ご寄付をいただいた方:(合)狼森(おいのもり)

ガバナー・ゲネローセでの森林再生

7月25日の夜、私たちはチバンバンの植樹祭が行われる場所に出向き、前夜祭に参加しました。ここは採石のために森林が伐採された場所ですが、その際、地元の資源となっていたアルマシガの木が、丈夫で坑道の支えに適しているということで重点的に伐採されてしまいました。アルマシガの樹液は燃料として地元の生活を支えるだけでなく、収入源にもなるため、地元の人たちにとって重要な資源です。その資源を取り戻し、将来的に生計を立てられるようにするため、そしてフィリピンワシをはじめとした様々な生き物のために森林再生が行われています。私たちはアカハラダカなどの渡りを行う猛禽類の保全に役立てるため、この活動に参画し、今回経団連からの助成を寄付することとなりました。

到着した現場は真っ暗闇。その中で私たちを出迎えるための儀式が行われました。地元では燃料として使われるアルマシガの樹液の塊をココナツの葉でくるんだたいまつに火が点けられ、私たちに手渡されました。それを別の樹液の塊に点火します。電気のない中で生活してきた現地の方々の生活を体験することで、私たちもこの活動への仲間入りができたことになります。この神聖な儀式を見ていると、植樹をする人たちの未来に向けた強い思いが伝わってきました。
アルマシガの樹液をココナツの葉で巻いたたいまつ
私たちが仲間入りするための儀式

植樹祭

次の日の朝、いよいよ植樹祭が始まります。横断幕には連盟の名前も加わっていました。植樹の安全を祈願した儀式を行った後、朝食を済ませていざ、植樹の開始です。植樹の方法について説明を受けた後、皆がそれぞれ苗を手に一斉に山の中に入ります。メインとなるアルマシガの苗はこの場所で種を拾って育てたものです。森林再生のために必要な場所には、すでに白い目印が付いた棒が立っており、その根元を掘って植樹します。苗を植えた後は、直射日光を避けるためにシダ植物を脇に差し、日よけ代わりにしました。こうして暑さが厳しくなる前に第一陣が終了。この日だけで1,000本近く植えるそうですが、私たちも少しはお役に立てたのでしょうか。百数十名いるボランティアメンバーが一人当たりの年間ノルマ100本を目指して植樹を続けるそうです。皆さんの健闘をお祈りします。
横断幕には連盟の名前も入っている 
アルマシガの木の前で神聖な儀式が行われる
植樹祭での植樹の様子
植えられたアルマシガの苗

助成金の受け渡し

植樹祭に参加している皆さんと別れて、次は助成金の受け渡しです。経団連からいただいた森林再生のための助成金を町へ届けました。町からは大変感謝され、森林再生により力を入れてくれることを約束してくれました。これでチバンバンの森林再生もより発展していくことでしょう。

ガバナー・ゲネローセで助成金の受け渡し
ECPCで助成金の受け渡し

7月27日、もう一つの森林再生場所である、ダバオ市サランガニのタルタク山での計画の説明をEnvironmental Conservation and Protection Center(ECPC)から受けました。ここのプロジェクトは連盟とRaptor Birdwatching Network Philippinesの呼びかけによって新たに始まるプロジェクトです。ここに5年計画で植樹をすることになりました。タルタク山は年間10万羽を超えるアカハラダカが渡っていくことが観察されています。そしてフィリピンを離れ、海へ出る前の最後の休息場であるため、遅い時間に渡ってきた個体や天候不良の際には、たくさんのアカハラダカがここで一夜を過ごします。この場所は生態系としても重要な場所であるため、植樹する苗は外から持ち込まず、計画地の周辺で種を確保し、実生の苗を取ってくることになります。ここでの植樹作業はアカハラダカがより安心して渡りができる環境を作っていくことでしょう。因みに日本では植樹と言って思い浮かぶのがシカやカモシカ問題。植えた苗はみんな食べられてしまいます。そんな心配はないのか聞いてみたら、ヤギがわずかにいるぐらいで、それも追い払えるから大丈夫とのことでした。イノシシも絶滅危惧種のフィリピンですから、日本との相違も多そうです。

7月28日早朝に私たちはECPCへ。植樹祭の準備で終われる中、助成金の受け渡しを行いました。森林再生が成功することを祈るばかりです。

タルタク山での式典

肌身離さず持っていた大金の重圧から解放されてホッとしたのもつかの間、そのままタルタク山に向かいます。ラブターヒル(鷹の丘)と名付けられた観察場所ではタルタク山を目の前に盛大な植樹祭の準備が始まっていました。式典が始まると色々な方が挨拶され、連盟を歓迎してくれました。そして地元の民族衣装で踊りの披露も!

植樹が行われるタルタク山

ラプターヒルで植樹祭の式典

連盟の名前が入った横断幕

地元の民族衣装で踊りの披露

今回は植樹祭なので植樹をラプターヒルの周りで行いましたが、後日、プロジェクトはタルタク山で開始されます。連盟の呼びかけで始まった森林再生が今後どう展開されていくか乞うご期待です。

植樹する参加者

持って行ったドローンで記念撮影

植樹した苗

日陰を作るためにバナナの葉を屋根代わりに

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この活動は、経団連自然保護基金からの助成で行いました
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ラプターヒルでタルタク山をバックに記念撮影

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公益財団法人 日本鳥類保護連盟

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