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【学校名】

愛知県立佐屋高等学校

【活動タイトル】

用水路に生息する淡水生カメ類の保全活動

【活動開始年】2021年  


【活動に関わっている学年および生徒の数】

1年生から2年生 7人

【活動内容】

 本校科学部は水田生態系の保全活動を大テーマに活動している。2021年から水田周辺を流れる用水路に生息する淡水性カメ類の調査を行ってきた。カメ類の調査を通じて分かってきたことは、普段は用水路の近くを歩くとアカミミガメしか見られないが、実際はイシガメ、スッポン、クサガメなど日本の水辺で生息するカメ類が生息数に違いはあるが、きちんと存在していたことである。


 採捕調査では、各個体ごとの体長や雌雄を調べ、種別の個体群構造について解明を進めた。その結果、特にアカミミガメ、クサガメで雌が多いことが明らかになった。また、アカミミガメの次に採捕数が多いクサガメは幼体の採捕はなく、抱卵個体もわずか1匹であった。


 採捕した個体を利用して、今後の保全活動のために、行動特性の違いを調査した。スッポンやクサガメは採捕後に産卵があったため、ふ化実験も行った。


【活動PR資料】

【活動による成果・効果または活動によって今後期待できること】

 爬虫類の性比の決定要因のひとつに孵化前の温度が関係している。調査結果から、地球温暖化の影響が、地域の温度環境に影響していることが考えられる。雌の増加は、繁殖にも大きく影響するため、アカミミガメの駆除にはさらに時間や労力が必要と予想される。

 クサガメの幼体が孵化個体以外は確認できなかったことは、クサガメが地域での繁殖に失敗していることも考えられる。行動特性を調べる調査では、校内で作製した実験池や水槽を利用して行い、種ごとの行動実態や潜水時間について調査し、違いを明らかにした。

 甲羅に小型カメラを装着させたバイオロギング的手法での調査を用水路や溜池で行い、特に水面上で浮かぶカメの視認範囲を判明することができた。駆除のためにアカミミガメに気付かれずに近づくための参考資料として期待できる。

 ふ化実験では、簡易的に保水性を保てる材料を検討し、ふ化に成功した。今後の保全活動でも利用していきたい。


【アピールポイント(活動において特に工夫したこと、注意・注目したことなど)】

 バイオロギング的手法では、大学との共同での活動が多く、大学の教員や学生から研究手法や考察の仕方など、広く学ぶことができた。国内でも先行的研究活動ができたと考えている。

 カメの採捕の為に水路に入ることも多々あった。どのような環境や場面なら安全に水に入ることができるか、河川教育にも繋がる活動ができた。これらの経験を基に、夏休みに地元の自治体と行っている地域の小学生を対象にした生きもの観察会では、生きもの以外に安全に活動できる水辺環境についても教えることができた。毎年、学校の文化祭で行っている科学部での展示や、外部でのイベントでも同様に知り得た知見を広めたいと考えている。

​学校ホームページ:

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