【活動内容】
私たちは、2023年からダルマガエルの研究と保護活動に取り組んでおり、6月の夜には生息地の田んぼで個体数を把握する鳴き声確認調査を行っています。また、岡山市内の保護団体「おかやま大野ダルマガエル保全プロジェクト」が行う里親活動に参加し、乾田から幼体を守る活動も行っています。
2024年からは、里親活動の課題である飼育期間中の死亡率を下げるため、最適な飼育方法の確立を目指した研究を実施。研究は飼育密度と飼育場所の2要素を組み合わせ、計8水槽で検証を行いました。並行して啓発活動にも力を入れ、生息地以外では認知度が低いダルマガエルについて広く知ってもらうため、生息地域外の公民館で40人規模の観察会を開催、参加した小学生とその家族を保護田んぼに招き、保護活動と現状理解の機会をつくることができました。
2025年には活動を校内でより効率的に進めるため、自然科学部内に「だるまがえるくらぶ」を発足させ、研究と保護啓発活動により一層力を入れることにしました。福武教育文化振興財団の高校生・大学生アクション助成では「岡⼭のナゴヤダルマガエルを救え!友達⼤⼤⼤募集!」という活動名で採択を受け、保護啓発活動の幅を拡大することができました。昨年に引き続き、公民館での観察会に加え、県内の重要な生息地である真備町の田んぼでも観察会を実施。さらに、多くの人にダルマガエルの姿を届けるため、現在校内で飼育している2024年生まれの14個体がいる大型水槽にライブカメラを設置し、配信準備を進めています。校内での観察会も実施し、1歳になる個体たちにバッタやダンゴムシなどの餌あげ体験は非常に人気があり、公民館での観察会や商業施設等のブース展示では実物のカエルを多くの方に観察してもらうことでより愛着や関心を高めてもらうようにしています。
REPORT
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✨活動PR資料
【活動による成果・効果または活動によって今後期待できること】
研究では、幼体から幼生に変態する時期において、室内飼育の方が生存率が安定することが明らかになった。その他の研究成果についても里親活動参加者と共有し、変態に成功する個体の増加によって個体数維持への貢献が期待される。
また、校外での観察会はこれまでに3回開催し、延べ約130人が参加した。参加者の多くはダルマガエルを認知していなかったが、観察会を通じて現状や課題について理解を深めてもらうことができた。
さらに、小学生にも分かりやすく伝えることを意識しており、身近にいる絶滅危惧種の生き物について興味を持つ機会となっている。私たちの活動は将来を担う次世代への環境教育になっており、持続可能な保護活動につながって いくと考えられる。
【アピールポイント(活動において特に工夫したこと、注意・注目したことなど)】
啓発活動においては、「幅広い人が話し合い、考 えること」を軸に据えて取り組んだ。
観察会では小学生から大人まで幅広い世代にダルマガエルの現状や課題を理解してもらえるよう、伝え方を工夫した。公民館での観察会では、生態や問題点を楽しく学べるようクイズ形式を取り入れ、遊び感覚で自然に考えを深めてもらった。
一方、真備での観察会では実際に長靴で田んぼに入って、カエルを捕まえることによって、ダルマガエルの生活環境を直接体感してもらうことができた。こうした工夫により、参加者が主体的に関心を持ち、理解を深められる点を工夫した。観察会の募集チラシも小学生目線になって、参加したいと思うようなデザインを自分たちで考えた。応募は募集定員の2倍以上の申込があり、興味を持ってくれた方が多くいたため、今後も継続して真備での観察会を実施していきたい。







