【活動内容】
2023年(令和5年)から、高梁野鳥の会の協力をいただき、主に3・4年生がブッポウソウの保護活動に継続的に取り組んできた。初年度には、子ども達がブッポウソウの飛来を願って巣箱を製作し、思い思いのデザインを施して学校周辺の2個所に設置した。
翌2024年には、待望のつがいが飛来して子育てを始めた。双眼鏡で初めて実物を観察した子ども達は、その美しさに感動し、もっと知りたいという強い探究心を抱いた。子ども達は、専門家の方に尋ねたり、図鑑で調べたりして、その生態を意欲的に学び、自分なりにまとめた成果を学習発表会や公共の場への展示で発信するなど、地域への啓発活動にも熱心に取り組んだ。
2025年には、巣箱にカメラを設置し、子育ての様子をライブ配信。ひながエサをもらう瞬間や、巣立ちまでの成長の姿をリアルタイムで見守ることで、命の尊さを実感することができた。また、市内の中学生・高校生との交流を通じて、多様な視点からブッポウソウと地域とのつながりを考えた。今後は、巣箱内の残留物を調査し、その食性や周囲の環境との関連を考察することで、ブッポウソウが暮らしやすい環境づくりについて、地域に提案していく予定である。
REPORT
【活動による成果・効果または活動によって今後期待できること】
ブッポウソウの魅力を体験的に感じ、その希少性を理解することで、身近な希少動植物を保護することの重要性を実感し、自ら行動する力を育くむことを期待している。
また、地域への啓発活動を通して、地域全体が野生動植物へ関心を高め、科学的に正しい行動へと発展していくことに寄与できるものと考えている。
【アピールポイント(活動において特に工夫したこと、注意・注目したことなど)】
1 子ども達の「もっと知りたい!」「やってみたい!」が活動の原動力
総合的な学習の時間を「きらめきタイム」と名付け「地域をきらめかせる」「自分をきらめかせる」ことを目的に子ども達の主体性を重視した学びを展開している。そして、子ども達の「もっと知りたい!」「やってみたい!」という気持ちを出発点に、子ども同士、子どもと担任、時には専門家との対話を重ねる中で具体的な活動内容を自己決定する体験を重視している。
2 多様な学びを創り出す中高生・外部人材との交流
近隣の中学校・高校、高梁野鳥の会、地域住民との交流により、子ども達が新たな視点で物事を見つめ、多様な気付きができることを心がけている。また、子ども達が学びの成果を地域住民へ向けて発信し、フィードバックを得ることは子ども達の新たな気付きや意欲の原動力になっている。
3 「五感と心」を生かした体験的な活動の重視
自ら双眼鏡を操作し生体を観察したり、巣箱設置カメラからのライブ配信で、ブッポウソウの「子育て」をリアルタイムに観察したりする感動的な体験、巣箱内の残留物を自らの手で取り出し、図鑑と照合しながら同定したりする実感を伴った体験は、子ども達の心に深く刻まれ、生涯に渡って生きてはたらく力になるものと期待している。






