第27回国際鳥類学会議

コアジサシは日本の環境省レッドリストに絶滅危惧Ⅱ類として記載されている希少種です。コアジサシの保護のためには、繁殖地、越冬地、中継地の整備が必要ですが、越冬地や中継地の場所についての情報はまだ不足しています。日本鳥類保護連盟では、これらの場所を明らかにすることで今後の保護活動に繋げていきたいと考え調査研究を進めてきました。今回の発表ではこれらに関連した①から③についてのポスター発表を行いましたのでご紹介します。

① 日本で繁殖するコアジサシの渡りルート及び今後の展望について

 日本で繁殖するコアジサシの渡りルートはこれまで明らかになっていませんでした。そこで本研究ではジオロケーターをコアジサシに装着し、渡りルートの追跡を行いました。その結果、パプアニューギニア、オーストラリアの南東部および東海岸に島伝いに移動していることがわかりました。しかし、ジオロケーターは200~300kmの誤差がある為、正確な越冬地は未だに特定できていません。そこで誤差20m程度のGPSロガーを装着し、越冬地、中継地の解明を試みています。

 <三井物産環境基金助成事業>

② 遺伝子解析による地域個体群の違いについて

 ジオロケーターの結果から東日本で繁殖しているコアジサシの一部も、沖縄県で繁殖しているコアジサシもオーストラリア東部で越冬していることが推測できますが、例数がまだ少ないこととジオロケーターの誤差が大きいことから越冬地や個体群についての詳細はまだ分かっていません。そこで東京都、千葉県、福岡県、沖縄県で繁殖しているコアジサシの遺伝子解析を行ったところ、沖縄県は他の地域と比べて異なることが示されました。これは沖縄で繁殖しているコアジサシが他の地域と別の個体群である可能性を意味しています。こちらも、GPSの結果を得ることで、日本で繁殖しているコアジサシの個体群についての調査を今後も進めていきます。

 <科研費・三井物産環境基金助成費事業>

③  リトアニア共和国において解明された渡りルートについて

 コアジサシは北東ヨーロッパにも広く分布しているものの、生息地はとてもまばらで減少傾向にあり、絶滅危惧種として保全対象となっています。調査対象地のリトアニア共和国も同様で、絶滅危惧種としてリストアップされていますが、調査はあまりされておらず、渡りルートに関しても解明されていませんでした。本研究では渡りルートを解明するためにジオロケーターを装着し、2017年に7個のジオロケーターの回収に成功しました。データを解析したところ全てのデータが大西洋の東海岸沿いを移動し、セネガル、ガンビア、ギニアビサラなどで越冬していることを示していました。これまでヨーロッパのコアジサシの越冬地はほとんど知られていませんでしたので、この発見は今後の保全活動において大きな役割を担うこととなります。

<イオン環境財団助成事業>

またコアジサシに関しては、海鳥(主にアジサシ類)のネットワークを作るためのRTD(Round table
 discussion)でコアジサシ研究センターの活動内容を紹介しました。今後もコアジサシ研究センターとしてネットワークに参画し、コアジサシの保護、研究に努めていきたいと思います。

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