学校名:静岡県立掛川西高校

【活動タイトル】
希少種ベッコウトンボの生息地の特定を目指して

​対象生物:
昆虫類

【活動開始年】

2020年

【活動に関わっている学年および生徒の数(年間)】

1・2年生 80 人
(3)活動の分かる写真IMG_0449.JPG

【活動概要】
桶ヶ谷沼における環境の整備と、桶ヶ谷沼地域に生息する希少種のベッコウトンボの保護活動はNPO法人「桶ヶ谷沼を考える会」が中心となって行われてきた。
本校自然科学部は、神奈川県立生命の星・地球博物館の学芸員の苅部治紀先生からご指導頂き、産卵を確認することや自然区での産卵を促進することを目的として保全活動を行った。ベッコウトンボの産卵場所の確保をするため抽水植物の浚渫により適度な開放水面を作った。また、隣接する鶴ヶ池では羽化が確認されており、ここに大繁茂したオオフサモなどの外来種の浚渫を行った。
「桶ヶ谷沼を考える会」の方々から譲り受けたコンテナで、ヤゴの頭数調査や産卵環境の整備・産卵の撮影を行った。さらに昨年度の研究で本校自然科学部で塩基配列を決定したプライマーを用いて、ベッコウトンボの水中からの環境DNAの検出を行い、目的の塩基長の増幅物を得た。

【活動による成果・効果または活動によって今後期待できること】

抽水植物の浚渫やヤゴの頭数調査、環境整備に参加することで、ベッコウトンボの保護活動を進めると同時に、生態への理解を深めることができた。鶴ヶ池では、外来植物の浚渫により、在来種であるアシやマコモなどの生育の阻害を防ぐことができた。
また、本校自然科学部で塩基配列を決定したベッコウトンボのプライマーを用いコンテナの飼育水から環境DNAの検出に成功した。塩基配列のシーケンス解析は今後行う予定であり、水中から、希少種ベッコウトンボの代謝産物を得ることで生息域を判断することが可能である。

【アピールポイント(活動において特に工夫したこと、注意・注目したことなど)】

桶ヶ谷沼を守る活動は、いくつかの団体があり、市民の方と協力することを心掛けた。
また浚渫や、コンテナ整備の作業は、大量の泥や水を運ぶため人手を要することを、昨年度学んだことから、本校アウトドア部の協力参加をお願いした。本年度は 自然科学部との共同作業で昨年度の2倍以上の人数と回数で行うことが出来た。
沼の開放水面の確保では、ベッコウトンボの産卵が可能であり、なおかつヤンマなどの大型のトンボの産卵をさせないよう適度な面積を考えた。
鶴ヶ池での浚渫では、外来種であるオオフサモは、茎が折れやすく茎の断面から根を生やすため断片を残さないよう、網などを用いて回収を行った。夏の作業であり熱中症を防ぐため給水や休憩を計画的に入れた。環境DNAの検出では、ビジターセンターの実験室をお借りしたり、保護コンテナでの採水をお願いしたりしながら、増幅できるまで何度も実験を繰り返した。
本校のマニュアルではなかなか増幅できず、2021年12月27日に神戸大学の源利文教授から環境DNA学会のマニュアルに基づく検出方法について教えていただいた。
本年度の研究では、ベッコウトンボの産卵を確認し、代謝産物があるという仮説を立てた上で採水し、教えていただいた方法に基づいて、代謝活性が盛んになる春先の時期を狙ってPCR法を行った。

【今後の課題、これからやってみたいことなど】

抽水植物の浚渫による開放水面の確保などを継続して行い、自然区からのベッコウトンボの羽化を目指す。外来植物の浚渫を行い、また流入を防ぐことで、在来種の生育の阻害を防ぐ。
今回のPCR法による抽出作業では、飼育水からの環境DNAの検出に成功したため、自然区からの環境DNAの検出を目指す。

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