学校名:福岡県立伝習館高等学校

活動タイトル
ニホンウナギの絶滅を回避するための2つのサンクチュアリづくり
~特に持続可能な水環境維持に必要な酸素と微生物について~

​対象生物:
ニホンウナギ,硝酸菌やシュードモナス属等の細菌類,クスノキ

【活動開始年】

2014年

【活動に関わっている学年および生徒の数(年間)】

自然科学部20人
(1年6名,2年10名,3年4名)
(3)活動の分かる写真IMG_0449.JPG

【活動内容】

私たちは,2014年よりIUCNから絶滅危惧ⅠB類に指定されたニホンウナギの特別採捕・飼育・標識放流の活動を柳川の観光資源である柳川掘割とみやま市を流れる飯江川で行っている。シラスウナギの特別採捕は今までに1万尾を超え、放流数は8500尾を超えた。2018年に飼育過程でクスノキ落葉を水槽に入れることで感染症に罹らなくなることを発見し、初期死亡率が激減した。その仕組みは好気的条件で硝化作用が硝化細菌などにより行われアンモニア濃度を低下させた後,微生物が脱窒を行っていることと発見した。柳川掘割と飯江川で生態調査を行い、飯江川では植林活動などを行っている。

【活動による成果・効果または活動によって今後期待できること】

水槽にクスノキ落葉を入れることで、水換えを一切しなくても水質が維持され、ウナギの死亡率を低下させ、水質を安定させることができる。これは自然本来のシステムを利用することで持続可能性を創出することができることを証明したものである。飯江川でも同様のことが言える。現在飯江川では夏の豪雨災害時に水を一気に流すことおよび、夏の渇水時に農業用水を溜めるための2つの問題を解決するために可動堰が至る所に作られている。しかし、可動堰によって海と川を行き来する魚類がいなくなった。この可動堰による生物多様性の損失を解決するためには、豪雨時の急激な水の増加と夏の渇水期の水不足を解決するために森の土壌を豊かにするために広葉樹を植林する必要がある。

【アピールポイント(活動において特に工夫したこと、注意・注目したことなど)】

私たち生徒が主体となりこの活動を行っていること。今までに自然の仕組みを利用することで生物多様性と持続可能な社会を実現することが可能であることがわかったが,このために多くの人々の理解が必要である。そのためにメディアの力をお借りしていること。コロナ禍でも活動を維持するために、活動内容などその知識や今後の方針など部員みんなで共有するためにteamsやLINEなどを活用している。掘割の理解と部員の親睦を深めるためボートを借りて柳川掘割を探検し全員で魚とりを行っている。

【今後の課題、これからやってみたいことなど】

私たちの意思を次世代に受け継ぐため地域の子供の環境学習を行う。最終的に私たちの活動が持続可能な社会の枠組みを築き,多くの人からの理解を得るために積極的に啓発活動を行いたい。
 老廃物や有機物の分解は微生物と酸素があれば行うことが分かったが,クスノキ落葉を投入するとミズカビ病が完治する仕組みを解明するためにメタボローム解析から有機物の代謝経路を解明したい。
 持続可能な社会構造と水環境の維持のために森が必要であるという理念を定着させるために飯江川上流にウナギとホタルを救った「100年の森」を作り,それを全国に広げていきたい。

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